自作 太陽光発電に適したソーラーパネル

太陽光発電 自作


自作する太陽光発電(ソーラー発電)のソーラーパネルには、どのような種類があるのか、どれを選べばよいのかについてまとめてみました。

Contents

スポンサードリンク

自作の太陽光発電に適したソーラーパネルとは?

一般にソーラーパネルと呼ばれるものは、10cm~15cm 四方の「セル」と呼ばれる太陽電池を何枚も組み合わせて板状にしたもののことです。

ソーラーパネルは、太陽電池とか太陽発電モジュールなどともよばれています。この太陽発電モジュールが、一枚何ワット発電するかが自作する場合の1つの基準になります。

ソーラーパネルは、5W ほどの小さな発電量のものから、一枚 200W位のものまであります。

発電能力が大きくなれば、パネル自体の面積や重量も大きくなります。用途に応じて発電量を決めていきます。

また発電した電気は、12Vか24Vのバッテリーに貯めて使いますので、ソーラーパネルの電圧は、バッテリーに適合するものを選びます。

住宅・産業用のソーラーパネルでは、発電される電圧が相当に高いもの(50V以上)があり、12V/24Vのバッテリーに蓄電するには不適合のものもありますので、注意が必要です。

発電能力は(W:ワット)で表されます。

またソーラーパネルの形状も、アルミの枠で囲われたタイプだけではなく、丸めて持ち運びにも便利なフレキシブルタイプ、折り畳みタイプなどがあります。

ソーラーパネルにはさまざまな種類やメーカーがあります。日本製は、高価であっても発電効率の低いものもありますし、逆に中国製は、格安なのにとても高効率なものも存在します。

スポンサードリンク

ソーラーパネルの選び方

自作でソーラー発電をする際、一番初めに、どれくらいの容量のバッテリーを、放電深度何%程度から満充電まで完了させるだけの能力を持つソーラーパネルが必要なのかを考えます。

* 一般的な自動車始動用バッテリーは36Ahの容量です。
「36Ah」「50Ah」などと本体に表示されています。

* 放電深度とは「蓄電容量の何%まで使うか(放電するか)」という事です。

具体例を考えてみましょう。

用途が非常用電源システムの場合(使用頻度は、年に2回程度)

例1)

バッテリー容量  36Ah(一般的な自動車用バッテリーの容量です)
放電深度  50%(半分は使用した、または自然放電したと仮定)

すなわち、36Ah×50%=18Ahを満充電させるために必要なソーラーパネルの発電能力(W:ワットで表示)を考えることになります。

満充電させるためのソーラーパネルは、以下のような計算式から算出されます。
(ここでは、システムの仕様を12Vバッテリーとします)

1.充電日数:3日間(日照のない雨天、曇りを考慮せず、延べ日数で算出する)

2.1日の日照時間:3.5時間(日本の全国平均の日照時間である「3.3時間」から)

充電を必要とする電気(18Ah)×バッテリー電圧(12V)=216Wh となるので、
216W÷(充電時間3.5時間×充電日数3日)≒20.6Wh となり、

ソーラーパネルの発電損失(15%程度)を考慮すると、25W以上の性能を持つソーラーパネルが必要であることがわかります。

またここでは、充電日数を「3日間」として定義していますが、あくまでも延べ日数換算としていますから、

実際には1週間程度かかると思った方がいいでしょう。

たった216Wを発電するのに1週間かかると考えると、

さらに2倍程度の発電性能を持つ50W程度のソーラーパネルを選択したほうが無難かもしれません。

* 上記非常用電源システムには、本来インバーターがあるはずですが、ここではソーラーパネルの選定だけとなりますので、インバーターの存在は無視することとします。

例2)

バッテリー容量  100Ah
放電深度  70%

70Ah×12V=840Wh ですから、
840W÷(充電時間3.5時間×充電日数3日)=80W となりますので

発電損失を考慮すると、100W以上のソーラーパネルが必要となります。

100W出力のパネルの大きさは、1200mm×600mm×40mm、重量10kg近くにもなりますので、風で飛ばされないような設置工事は必須となり、

意外と大掛かりなシステムになります。

スポンサードリンク

ソーラーパネルのサイズはどの位?

主なソーラーパネルのサイズと重量は表の通りです。参考にしてください。

※ 設置前の目安にして下さい。
※ 製品によって、若干サイズや重量が違いますので、購入する際にはご確認下さい。

スポンサードリンク

ソーラーパネルの製造国について

現在、わが国で流通販売されているソーラーパネルは、主に中国製と日本製が多いようです。

そのほか、ドイツ製、アメリカ製、カナダ製など欧米製のものもありますが、

独立電源システムとして設計されたパネルではなく、住宅・産業用の開放電圧が50V以上のものがほとんどで、

格安のチャージコントローラーを選択できなくなりますので注意が必要です。

【日本製】

発電効率、品質性能、防水性能ともに大変優れていますが、中国製のソーラーパネルと比較して大変に高価です。

最近それなりに安くなってきましたが、「ソーラー発電を楽しむ」という価格ではありません。

経済的に余裕のある方、品質第一とお考えの方にはお勧めです。

【中国製】

ソーラー発電初心者に方にはお勧めです。

100Wクラスのソーラーパネルが、チャージコントローラーとともに3万円以下で購入できます。

JIS規格表示(JISC8918)のあるものをお選びください。

20年80%の発電効率を保証しているパネルも多数あります。

【欧米製】

発電効率、品質性能、防水性能ともに優れていますが、日本製と同様に高価です。

わが国では流通量が比較的少ないので、相性の良いチャージコントローラーの情報も少ないようです。

【関連記事】

自作するソーラー発電の仕組み

自作┃太陽光発電は何に使うか? 

自作┃太陽光発電に必要な機材は? 

自作┃太陽光発電のチャージコントローラー 

自作┃太陽光発電に適したバッテリー 

自作┃太陽光発電のインバーター 

◆ 自作に役立つ太陽光発電の本